憲法九条を世界遺産に

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)


資格試験の勉強のために憲法について勉強していたので、少しばかり気になって読んでみた。まとまりの無い話を見せられた感が強くて、結局何を言いたかったのか分からない本ではあったが、それなりに得るものも多かった。
憲法九条と自衛隊の論争は置いておくとして、「一切の戦争をしません」と宣言している憲法は全世界に日本国憲法しか存在しないらしい。「本当かよ」という気もするけど、数少ないことには間違いないだろうと思う。「何があろうと戦争しません」というのは、確かに理想論かもしれない。でも、目の前に広がる現実だけを見ていると、自分がどの方向に向かって歩いているかが分からなくなることも事実。それを防ぐためには、「筋の通った指針」というものが必ず必要になる。それが国家にとっての憲法だろうと思う。ならば、憲法で青臭い理想論を掲げることは、なんら間違いではないだろうと思う。
そう考えると改憲論者の言っていることは、「現実とマッチしないから憲法を変えましょう」ではなくて「戦争がしたいので憲法を変えましょう」と言っているように思えてならない。それ以外に、憲法を変えたいと思う理由が思い浮かばないのだ。自衛隊が憲法違反だと思うなら、憲法を変えるのではなく、自衛隊を廃止すべきなのに、どこを間違えば「憲法を変える」と言う話が出てくるのか。


これに関連して、最近のニュースで

クラスター爆弾>日本、全面禁止条約案に同意  5月30日2時31分配信 毎日新聞

政府は29日、軍縮交渉「オスロ・プロセス」のダブリン会議が合意したクラスター爆弾を事実上即時全面禁止する条約案について、同意する方針を決めた。条約案は30日に採択される。政府は条約案への具体的な賛否を明らかにしていなかったが、福田康夫首相の意向を受け、人道問題の観点から受け入れに傾いた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080530-00000013-mai-int

クラスター爆弾って、自衛のために必要か?クラスター爆弾って地上の敵に向かって撃つ兵器だと思うのだが、これを日本の国土に打ち込む気なのだろうか。つまり、すでに敵には本土上陸を許している段階で、日本の国土にいる外国の兵隊に向かってクラスター爆弾を投下するのか?そんなことになれば、不発弾による被害を被るのは、大半が占領下の日本人だろう。
いいじゃん、条約に批准しなくても。外国の皆さんにはご迷惑をおかけしませんから御安心ください、って言っておけば。日本の自衛隊は海外の皆さんの国土にこの爆弾を投下しませんから、って言えばいいのに。
大体、何でこんな兵器を日本は持っているのかね。使い道が無いのに。挙句に、全廃するのに100億円かかります、ってどんな詐欺だよ。

日本の官僚は想像力のかけらも無いのかと、すごく憂鬱な気分になった。