チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光


半日で読了。エンタテイメントの作品としては出色の出来。僕の中ではダビンチコード以来か。デビュー作らしいのだが、そうは思えないぐらいに腕のある作家さんだと思う。


医療現場が舞台となっているのだが、何の抵抗も無くすんなりと読める。「現役の医者が書いた医療ドラマ」となると難解な専門用語が連発されるのかと思い多少の不安を抱いていたのだが、その不安が的中。物語の後半には良く分からない専門用語が連発された。とは言え、読むのが辛かったかと言えばそうではなく、何の苦も無く読むことが出来た。知ってか知らずか、物語の前半には難解な用語が出てくることは殆ど無く、仮に出てきたとしても、外科的な知識が皆無な主人公のために適切な解説が加えられる。知らず知らずのうちに物語の世界に引き込まれていき、物語の後半に難解な用語が出てきたとしても、あたかも知っているかの如くに読み進めることができる。暴力的なトルクで読者を引っ張るのではなくて、知らないうちにスピードが出ている感じ。本当にこなれた感じの物語の展開。やっぱりデビュー作とは思えない。


映画化もされていて、阿部寛竹内結子が主演。こちらも見てみたい。