姑獲鳥の夏


京極夏彦の原作を映画化したもの。公開は随分昔だが、最近公開された「魍魎の匣」と一緒に借りてみた。本当は原作から読むべきだとは思うが、たまには逆になるのも悪くないかなと自分に言い聞かせつつ。
悪くないかなと。
原作が強烈なマニア向けの小説であることは知っている。凄く分厚い新書版の小説であることも知っているので、原作を知っている人が観れば、まあ良い評価は出てこないとは思う。たぶん小説の世界を表現し切れてはいないだろうと思う。でも、小説を知らない人が観れば、これはこれで面白い。昭和20年代に量子力学とか仮想現実という表現を臆面もなく出したり、嫌味たっぷりの過剰な演出をしたり。濃い味付けではあるけれども、味として統一されているので、観ていて疲れるものではなかった。
雨上がり決死隊の宮迫が役者面していたり、小泉今日子の元旦那を久しぶりに観たり。映画とは関係ない部分で楽しめる部分もたっぷり。原田知子も健在だし。阿部寛の出番をもう少し増やしてほしいとは思うが、キャスティングとしても充分満足できるレベル。
魍魎の匣」を見終わってから、原作を読んでみようと思っています。