再会の街で


良い映画でした。

心の在りようとは様々なのだ。そこには正解もなければ、間違いもない。人それぞれが、その人なりの物語を抱えている。その物語は決して解決されることなく、ただ物語として存在するのだ。そこにはドラマティックな結末もなく、賞賛したり涙を流す観客もおらず、その人がその物語を誰に頼ることもなく、その両手に抱えて生きていくのだ。他人が助けてあげられると思うのは、ただの思い上がりである。その物語を終わらせることができるのは、本人だけであり、周りにいる人は本人から語られる物語を黙って聞いているより他ないのだ。

見終わった翌日に、そんなことを思い知らされるような、何かを心の中に残す映画でした。