スピードレーサー

ウォシャウスキー兄弟の最新作。マトリックスシリーズが大好きなので、見逃せないと思いレンタル。奥さんは低調な反応。長い間、洗脳活動を続けているが、どうしてもハリウッド的な映画には興味を抱いてくれない。僕も昔はそうだった。大学の頃は、ハリウッド映画を忌み嫌っていた。今はそうでもない。駄作も多いけど、佳作も多い。名作は少ないかも知れないけど。
いつこんな風に考えが変わったか?何故こんな風に考えが変わったか?答えは僕も分かりません。
ちなみに諸般の事情により、テアトル宗村での上映が出来なかったため、14インチ液晶テレビでの鑑賞となりました。

スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]

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脚本としてはヒネル所は全くなし。気持ちいいぐらいの直球勝負。元々、この監督に脚本のヒネリ方を期待していない。「マトリックスは凄い!」と言われるのも、新しい技術を駆使した映像が評価の所以であり、その脚本の出来ではない。では、その映像はどうだったかというと、コレがイマイチだった。一言で表すと、「狙いすぎ」という感じ。サイケデリックな色彩とか、人間とサル以外は全てCGとか、「おっ!」と思う点はいくつかあったんだけど、「スゲッ!」とまでは行かなかった。
でも、劇中に出てくる車はスゴクかっこいい。本当に、子供が思いつく限りの秘密装備が満載。ダークナイトで描かれたバットモービルとは正反対の格好良さ。マンガそのまま、子供の頭の中身そのまま。ニヤリとするけど、心に火がつかない。微かに残る子供心を揺さぶられない。
見終わった後、置いてけぼりを食らった感じがした。「ロボットが出てこないと、魂に火がつかない」というような、単純な問題ではないと思う。「今生きている世界は、実は嘘の世界で・・・」とか「僕自身は、実は、他の星の支配者の息子で・・・」という類の空想世界(大体、小学校3〜4年辺りの想像力)を映像化するとマトリックスシリーズに近くなると思う。でも、この作品はそれ以上。劇中に幼稚園年長組の子供(キスを「バイ菌が・・・」と言って避けるお年頃)が出演しているが、その子供の頭の中身がそのまま映像化されている感じ。子供を育てたことのない33歳の男には、到底ついて行けない世界観。
原作は、「マッハGoGoGo!」。純然たる日本のアニメ。原作をオンタイムで観ていた人は、この映画を観てどう思うのかしら?