ダークナイト

各方面で面白いと評価されていたので、観てみることにする。ヒース・レジャーの遺作となったらしいが、彼に何の思い入れもない。前作のバットマン・ビギンズ渡辺謙が出演したらしいが、今回の出演はないらしい。面白かったら、前作も観てみるかな。

ダークナイト 特別版 [DVD]

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非常に面白い作品でした。唸らざるを得ない。今年観た映画(今年公開の作品ではない)のベスト3を作ろうと画策していたのだが、多分ランキングに食い込んでくると思う。ランキングの発表は年明けになると思うので、乞うご期待。

何と言っても、ジョーカーを演じたヒース・レジャーが神懸かっている。ジョーカーというキャラクターを、これ程までに「不気味」に演じるとは思いもよらなかった。私の知っているジョーカーはもっとコミカルで、間抜けなキャラクターだったのだが、この作品では恐ろしく頭の切れる、純粋な悪者となっていた。バットマンの描かれ方も、単純な正義のヒーローではなく、タイトル通り「闇の騎士(Dark Night)」として描かれている。これがまた良い。
脚本も良かった。終盤に「これで終わりかな」と思っていると、面白いように裏切られる。ジョーカーが見事なまでに観客を裏切るのだ。正義のヒーローが切れる頭を生かして、悪者を翻弄するというハリウッド的王道ムービーの影は全くない。この映画では立場が全く逆で、ジョーカーがバットマン達(観客を含む)を面白いように翻弄する。そこに加えて、ジョーカーの不気味さ。こうやって書くと、恐ろしく後味の悪い映画と思うかも知れないが、後味は悪くない。ジョーカーは思い入れをする余地のない「悪者」として描かれているし、バットマンは肩を抱いて慰めたくなるような「善人」として描かれているからだ。

確かに、ヒース・レジャーの演技も凄いと思うが、ココまで話題になるのは脚本の勝利だと思う。誰の脚本だと思って調べてみたら、クリストファー・ノーラン。「メメント」の監督さんでした。才能なのかしらね。