TOKYO!


韓国のミニシアターで鑑賞。海外で映画を観るなんて経験は初めて。ちなみに映画料金は7000ウォン。円高の今、日本円に直せば500円程度で映画を観ることができる。奥さんは「アメリカで映画を観たときも、似たような値段だったよ」と言っているので、日本の映画料金が高いのかもしれない。せめて通常料金が1000円程度になればいいのになと思う。
3人の監督(ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ)が東京を舞台にして撮影した、オムニバス形式の映画。ポン・ジュノが撮った「シェイキング東京」という作品が上々の出来であるという話を聞いて、観に行きたいなと思ってはいた。残念ながら茅ヶ崎には、この手の映画を上映してくれる映画館はない(シネコンが一つあるのだが、家族向けの映画ばかりを上映する)ので、映画館で観ることは半ばあきらめていた。まさか、ハングルの字幕付きでこの映画を観るなんてコトは想像もしていなかった。
「シェイキング東京」は評判通り良い出来だったと思う。ある引きこもりの男性(香川照之)が、ピザの配達をしてくれる女の子(蒼井優)に恋をするのだが、外の世界つまり東京では殆どの人が引きこもりになりつつあり・・・、というお話。短編にしておくのはもったいないぐらい。香川照之蒼井優というキャスティングもイイ。竹中直人は少しアクが強すぎるので、この作品ではかなり浮いていた。嫌いな俳優さんではないのだが、どんな役を演じても「竹中直人」にしか見えないのが、この人の強みでもあり、弱みでもあると思う。
ミシェル・ゴンドリーが撮った「インテリア・デザイン」がスゴク良かった。恋人同士の二人(藤谷文子加瀬亮)が東京に上京してくるも、自分の居場所のなさ、不甲斐なさに落ち込む毎日。そんなある日に自分の体の一部が木に変わっているコトに気付き・・・。というお話。ラストで女の子が男の子に手紙を書く、この台詞がとても良かった。
レオス・カラックスの「メルド」は今思い返してみても、どういう意味かがワカラナイ。
3人の監督の間で、打ち合わせはなかったと思うが、全ての作品が「東京」という都市が持つ、ある種の「負の側面」を取り上げているのが面白い。初めての海外旅行で、「日本は海外の人からどのように観られているのか?」ということを、とても意識するようになったのだが、そのキッカケになった映画でもある。