アメリカン・ギャングスター

アメリカン・ギャングスター [DVD]

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部屋の模様替えをした関係で、テアトル宗村が休館状態だった。奥さんからの再開要請が強くなったので一念発起。奥さんも手伝ってくれたので、あっという間に作業終了。再開第一作目は、以前から観たいと思いつつも手に取らなかった作品をチョイス。そして奥さんは全く興味のない作品。実話を元にした映画らしい。監督はリドリー・スコットデンゼル・ワシントンラッセル・クロウが主演。今考えてみれば、この作品の何に対して興味を持ったか不明。デンゼル・ワシントンは良い役者だとは思うが。

麻薬組織をトップに立つ人間をデンゼル・ワシントンが演じ、ラッセル・クロウは麻薬組織の摘発に動く刑事を演じる。立場は違えど仕事に対しては両者ともに熱心。麻薬の買い付けのために、ベトナムの奥地に自ら足を運んだり、刑事の仕事の傍ら、検事の試験に合格したりしている。ただ、麻薬王は麻薬組織を築くために家族の結束を強くし、刑事は組織の摘発のために家族を犠牲にする。この対立軸を中心に映画は進むのだけど、肝心の両者が面と向かうのは逮捕の瞬間が最初。つまり、映画が始まって2時間ぐらいは、お互いが接することなく話が進む。実話がベースになっているから仕方がないとはいえ、この映画の致命傷がココだ。両者の対立軸を中心に話を進めてはいるのだが、スクリーン上では全く対立していない。ただ、麻薬組織の成り立ちと、麻薬組織を追う刑事をダラダラと見せられているだけになってしまっている。挙げ句の果てに、警察組織内の汚職警官を一掃するために両者は協力する。監督が描きたかったのは、「対立軸」なのか「男の友情」なのか。2時間で切り上げておけば良かったものを、最後の30分を付け足すことで完全なピンボケ映画になってしまった。

確かに、2時間30分という長尺の映画にしては、あまり時間を感じることなく観ることができた。これほどピンボケの映画を、キチンとまとめ上げるのは、考えようによっては凄まじい技術かも知れない。それ以外に良いところが見つからない。