11月27日 韓国旅行2日目 『アカスリ』


14:00頃、ソウル駅到着。日本で下調べをしておいた、シルロアムチムジルバンに向かう。「チムジルバン」というのは「サウナ」に相当するのだが、施設としては日本のスーパー銭湯みたいなモノで、お風呂もあればサウナもある、ご飯も食べることが出来るし、宿泊施設もある。今日はここでアカスリをしてもらうのである。韓国といえば誰が何と言おうとアカスリである。少し迷うが何とかたどり着く。明洞(ミョンドン)には新しくて綺麗なチムジルバンが最近オープンしたという情報を掴んでいながら、あえてソウル駅周辺のチムジルバンを選んだ甲斐があった。このスバラシイ「場末感」。正直言えば、建物の外観を見た瞬間、明洞(ミョンドン)を選ばなかったことを後悔した。
これまで奥さんの韓国語に頼りっぱなしであったが、チムジルバンに入ってしまうと、そうはいかない。当然、混浴ではないので奥さんの語学力をアテにすることは出来ないのだ。一気に不安感が高まる。奥さんがフロントで入場料(8000ウォン)を払い、アカスリの頼み方を聞いてくれる。

  1. 靴を下駄箱に入れる。
  2. 靴箱の鍵を受付に渡す。
  3. その時、「テミリ(韓国語でアカスリ)」という。
  4. 受付にお金を払う(10000ウォン)。

これでイイらしい。少しではあるが日本語が通じるとのことなので、不安ではあるが突入する。
言われた通り、靴箱の鍵を受付に渡すときに10000ウォンを見せながら、「テミリ!」と自信満々に言う。逆境では根拠のない自信が頼みの綱だ。受付のオッサンが、怪訝そうな顔をして「アカスリ?」と聞いてくる。日本語大丈夫なのか、と少しビックリしたが、スグに日本語が出てくるほどの余裕はなく、大きく頷くと10000ウォンを取られた。何かカード的なモノが出てくるのかと思い待っていたが、そんな気配はない。オッサンは他の客の対応に忙しそうにしている。これで終了なのか、それとも10000ウォンを懐にしまわれただけなのかハッキリしないが、ココで待ってても埒が開きそうにない。仕方がないので服を脱いで風呂に入る。日本のスーパー銭湯と同じように、いろんな風呂がある。薬湯も少しあるし、サウナもある。体を洗って色んな風呂を渡り歩いていると、アカスリ台とアカスリ職人発見。10000ウォンは払ったわけだし、このままアカスリを受けずに引き下がる日本人ではない。果敢にチャレンジ。アカスリ職人に「テミリ?」というと、職人は手招き。言われるがまま、アカスリ台に横たわると、ロッカーの鍵を奪い取られる。東南アジアに売り飛ばされることも覚悟する。お湯をぶっかけられて、アカスリ開始。何とか通じているらしい。擦り出されたアカの玉を期待していたのだが、時折体にお湯をぶっかけるので、アカ玉を拝むことは出来なかった。最後に石けんで体を洗ってくれて終わりなのだが、このタイミングでは体にお湯をぶっかけてもらえなかった。何故だ。
奥さんと休憩室で落ち合う。取りあえずのどを潤すためにアイスコーヒーを売店で頼む。「アイスコーヒー、ハナ、チュセヨォ」と言ってお金を払い待っていると、おばちゃんが「ミクスゥ?ミクスゥ?」と聞いてくるので、何事かと思って店の中をのぞいてみると、ビンを3つ指差している。そのビンは明らかにインスタントコーヒー、クリープ、砂糖だった。気を失いそうになったが、何とか踏みとどまり「イェー」と答えると、冷たいインスタントコーヒーが出てきた。
インスタントコーヒー片手に館内を歩き回る。5階建ての建物で、最上階は宿泊施設になっている。奥さんが「いびき部屋ってのがあったよ。多分、いびきの大きな人が寝る部屋だよ」と言っていた。妙なところに気が回るのだなあ。4階、3階、2階はオンドルがあったり、食堂があったりと休憩するためのスペース。乾式のサウナ(これをチムジルバンというらしい)も設置されていたので、幾つかに入ってみたが、モノの数分で退散するハメになった。メチャクチャ暑いのである。韓国のおばさんたちは、その暑い中でも井戸端会議を開催している。韓国の女の人はおしゃべりが大好きらしく、3人集まれば何か用事でもない限りずっと話し込んでいられるらしい。マッサージチェアも設置されていたのでトライしてみたが、とても力強くて、とてもアバウトな揉み心地だった。現地の人はスゴク気持ちよさそうな顔をしているのだが、僕と奥さんは、そのあまりのアバウトさに笑いをこらえることが出来なかった。どこかが痛くなったわけではないが、「揉まれた」と言うよりは、「何かを押しつけられた」という感じで。日本のマッサージチェアは本当に良くできていると思う。
小腹も空いてきたので、食堂でご飯を食べる。

水冷麺(ムルレンミョン)

冷麺なのだが、あまり具はない。マスタードと酢をかけて食べる。当然、全然辛くない。韓国旅行でキムチに疲れた人にはオススメ。麺の歯応えが凄くて、なかなか噛み切ることが出来ない。

炸醤麺(ジャジャンミョン)

オイラは食べたことがないのだが、日本のジャージャー麺と同じモノなのだろうか。麺に真っ黒なタレがかけられた料理。タレ自体は甘めの味付けで、何か具(タマネギかしら?)が入っていた。韓国の学生さんに愛されているメニューらしい。

シッケ

米をどうにかした飲み物で、チムジルバンでは定番の飲み物らしい(日本で言う「マミー」なのか)。サッパリとしているが、微妙に甘みもある。日本の甘酒にショウガ汁を加えて、水で薄めた感じの飲み物。