11月26日 韓国旅行1日目 『仁寺洞(インサドン)でプデチゲ』


17時30分頃、晩飯を食べに部屋を出る。チェックインの際、店員さん(ジュンさん・韓国人・ベジタリアン)が「美味しい焼き肉の店を教えてあげるよ」と言っていたので、その店に行ってみることにする。ベジタリアンが焼き肉の店を知っているのは何故なのかは、この際気にしない。そして、韓国にベジタリアンがいるなんて想像もしなかった(この時点では韓国人は毎日焼き肉を食べていると考えていた)。
「さっき言っていた焼き肉の美味しい店を教えて」
「この道をまっすぐ行った辺りにあるよ」
この国は大抵のことがアバウトに出来ていると気づき始めるのもこの頃である。言われるがままに歩いてみると「トンカツ屋」発見。韓国語では「トンカッスゥー」と発音するらしい。そして、韓国では「トンカッスゥー」はポピュラーな食べ物であるらしく、アチコチの店先に「トンカッスゥー」が並んでいた。そして、焼肉屋を発見することは出来なかった。仕方がないので仁寺洞(インサドン)まで歩くことにする。至る所で工事をしている。ビルの建て替えをしていたり、道路の舗装をしたり。通りがかった現場の前では、強烈な硫黄の臭いがしていた。日本なら「ガスが出た!」と大騒ぎになるレベルだが、歩行者は一切気にしていなかった。



仁寺洞到着。賑やかな町並みを一通り歩いてみる。奥さんは「雰囲気がガラッと変わった。もっと落ち着いた感じの町並みだったし、こんな小洒落た店なんてなかったのに」という。かつてはスターバックスの看板の色で揉めたコトがあるらしい。今ではスターバックスの看板も、他店の看板に埋もれてしまっている。観光客相手の店も多く、お土産の実演販売なんかもしている。「コマッタトキハ、オタガイサマー」と日本語を連呼する店員もいる。変な人に日本語を教わったことを哀れまずにはいられなかった。






奥さんがソウル在住時代に一度食べたことのある店に行くことにする。「番地なき酒幕(ポンジオンヌン ジュマク)」という店で、海鮮のパジョン(海鮮チヂミみたいなもの)が美味しいらしい。店に入ってメニューを眺める。後から気付くことだが、この店は特にメニューの選択肢が多かった。他に入った韓国の飲食店では、メニューの種類が極端に少なく、1種類なんて店も珍しくはない。その点、この店はメニューの選択肢が多かったので、頼むモノを決めるのに時間がかかった。しかし店員はお構いなしにテーブルの横でプレッシャーをかける。初日からあまり飛ばしすぎると胃袋が持たないので、3品だけ注文する。そして一番飛ばして食べたのが、この日の夕食であったということに旅の最終日に気付く。
写真を見てもらえれば分かるように、二人が注文する量ではない。おまけに、頼んだ料理以外にも、副菜と呼ばれるキムチやナムルがお代わりし放題なのだ。そしてこれがまた美味い。他のテーブルを見渡してみても、こんな量を注文しているテーブルはどこにもなかった。3〜4人で一品を注文するというのが一般的みたいだった。注文をし終えたときに、店員にテーブルを変われと言われた理由が良くわかった。、その時はサービスと思って喜んでいたのだが、料理がテーブルに乗らないというのが真相だったというわけだ。店員も教えてくれても良さそうなものだが、商売だから仕方がないか。お会計は総額58000ウォン。日本円で4000円ぐらいです。円高と言うことを考えても、安い。仮に4人で同じ量を頼んでも、充分満足できるし、割り勘にすれば一人1000円程度。他のテーブルに至っては、3〜4人で25000ウォン程度なので、一人500円でおつりが来る。物価が安いとは奥さんから聞かされていたけど、ココまでとは思わなかった。

プデチゲ

まず辛い。頼んだことを後悔するぐらい辛い。キムチの様に辛さがスグに飛んでくれずに、ずっと口の中に残るので、最後の方は修行みたいになっていた。他の種類の鍋物についても、同じように辛いらしい。キムチが具として入っているところに、調味料としてコチュジャンを入れるとのこと。正気の沙汰ではない。スパムを入れているせいか、少しクセのあるにおいがする。期待していたほど美味しいモノではなかった。奥さんも、「他に美味しい食べ物がたくさんあるので、好んでは食べない」とのこと。ちなみに韓国語で鍋物のコトを「チゲ」というので、日本でチゲ鍋と言っているのは、韓国語では「なべなべ」という意味になり間違いらしい。

チャプチェ

日本でも食べられる料理だけど、キムチとかの辛いモノに囲まれて食べると、そのおいしさを痛感する。箸休めに持ってこい。日本で食べるモノと比べて、春雨(?)が太くて歯ごたえがあった。ただ、やたらと量が多いのが難点。まさか大皿に盛ってあるとは思わなかった。想像の3倍ぐらいの量。

ヘムルパジョン

見た目は海鮮チヂミ。味も海鮮チヂミ。チヂミとパジョンの違いについては分からないが、美味しいので良しとする。これもデカイ。デカイのに、4等分にしか包丁が入っていない。せめて8等分にしてくれよと思う。こんな所にも国民性が見え隠れする。

ドンドンジュ

日本で言う「甘酒」みたいな感じの味のお酒で、それを冷やして飲む。発酵しているせいなのか、少し炭酸っぽい。アルコール度数もあまり高くない感じなので、飲みやすい。大きな丼にナミナミと注がれてテーブルに並べられ、柄杓ですくって飲む。

ビール(hite)

薄くて味がない。店員がビールを持ってきたときは「何だよ、小瓶かよ」と思っていたが、小瓶で助かった。日本の発泡酒の方がまだ美味しい。韓国の人が焼酎を飲む気持ちが分かる。韓国でも日本のビールは美味いと人気らしい。