11月26日 韓国旅行1日目 『入国』


入国審査のゲートで順番を待つ。英語圏の国(例えばアメリカ)であれば「サイトシーイング、シックスデイズ」と答えれば良いと中学校で習った記憶がある。仮に何か言われたとして、拙いながらも英語で受け答えが出来る自信はある。しかし、ココは韓国、言葉はハングルである。何か言われたらどうしよう。帽子も忘れるし、出国の時に靴も脱がされた。今日の蟹座の運勢は最悪なのか?そんなことを考え始めると脇の下に多少加齢臭混じりの嫌な汗をかき始めた。奥さんは先にゲートを越えるが、何か言われた様子はない。続いてオイラ。チラリとオイラの顔を一瞥して、何も言われずにビザの判子を押される。確かに人相には自信があるが、これでは心配するだけ損である。何か聞かれて困るのは確かだが、ココまでアッサリしていて大丈夫なのか?何か聞いた方が良いのではなかろうか。
空港の両替所で5万円分をウォンに両替する。奥さんの韓国語がココでようやく炸裂。日本人から見れば現地の人と何ら変わりない韓国語をペラペラと話す。スゲエ。話している内容は全然わからないんだけど、4,5回ほど会話の往復があって両替が完了。レートが100円→約1500ウォン。約75万ウォンを手にするが、財布に入らない。多少ブルジョワの気分を味わうが、日本円では5万円である。



地下鉄の駅で「T-money」なるものを購入。ココでも奥さんの韓国語が炸裂。韓国版のSuicaみたいなものなのだが、これを使うと初乗り運賃が100ウォン割引(1000ウォン→900ウォン)になるというお得なカードである。当然チャージも可能。10000ウォンをチャージしてもらう。使い切れなければお土産に持って帰ればよい。しかしこのカード、少しめんどくさい。日本のSuicaの様に読み取りの精度が高くないのだ。日本のSuicaと同じ感覚で使おうとすると、間違いなくエラーとなりゲートは開いてくれない。カード読み取り機に1,2秒押しつけて祈る。運が良ければ読み取ってくれる。運が悪ければ他のゲートで再チャレンジ、といった具合。地下鉄に乗って、宿に向かう。1時間弱かかるらしい。以下、地下鉄に乗って気がついたこと。

  • ドアの前で行列は作らない。降りる人を待たない。この辺は日本よりもヒドイ。
  • 優先席に(健常者は)誰も座ろうとしない。年輩の人にはサッと席を譲る。この辺は日本よりもスバラシイ。
  • 中吊り広告がない。
  • 車内で唐突に商売、募金活動、政治活動が始まる。何故か必ず一駅で終了。
    • トイレ詰まりを修理する器具を売るおじさん。
    • カサを売るおじさん。
    • 良くわからない募金活動。
    • 「戦争で足に障害を負ったけど、頑張って生きています」という意思表明。
    • 単純な物乞い。
  • そんな様々な活動に対して、車内の乗客は一切関心を払わない。
  • 車内の携帯通話が認められている。かなり大声でしゃべる。
  • 地下鉄網はかなり整備されていて、路線の数は東京都に比べても大差はない。
  • ホームには二重扉が設置されていて、かなり近代的。工事中なのか、終始扉が開きっ放しの駅も多数あった。

鍾路3街(チョンノサンガ)という駅で降りて、徒歩。日本よりも寒いのは確かだが、想像していたよりも暖かい。当然ながらハングルの看板だらけ。今更ながら外国にきたことを痛感する。韓国の伝統的な衣装(チマチョゴリ)を売る店がたくさんある。この駅周辺はそういう地域なのだろうが、トロフィー専門店が多くあったのは理解できなかった。1件ならまだしも、3,4件存在するのだ。韓国ではそんなに多くのトロフィーが贈呈されているのかしら。競争が好きな国民性というのは理解できるけども、トロフィー専門店が3軒も存在しなければならないほどなのだろうか。




5分ほど歩き、宿に到着。ビウォンゲストハウスという所。かなり怪しい外観。「MOTEL」というネオンサイン。何処かで何かを間違えたかしら。奥さんがフロントの店員と話を始める。どうやらココで間違いないらしい。長期の滞在なので1万ウォン割り引いてくれるとのこと。一通り宿の設備を説明してもらって、部屋の鍵を渡される。4階、当然エレベーターはない。一泊4万ウォンの部屋なので、大した設備もないし、綺麗でもない。布団、テレビ、冷蔵庫、トイレとシャワーが着いているだけの部屋。暖房は床暖房(オンドル)なので、ポカポカと暖かい。そのせいか蚊が飛んでいる。韓国の蚊は寒さにも強いのだ。「韓国の蚊はデカイしニブイので、簡単に殺せるから大丈夫」と奥さんは言う。異国の地での生活経験がこんな所でモノを言うのだ。夜、蚊の羽音にイラッとすることもあったが、一週間の滞在で合計10匹近くの蚊を叩き殺すことになった。奥さんの言うとおり、確かに動きが緩慢で、驚くほど簡単に殺せる。ただ次回、韓国の安宿に滞在するときには、虫除けの用意を忘れないようにした方が良さそうだ。




テレビを付けると、たくさんのチャンネルが選べる。CS(衛星放送)が受信できるらしく、50チャンネルぐらいが用意されていた。一通りチャンネルを回してみると、ドラえもんや戦隊モノなど日本の番組がチラホラ。NHKもある。林マヤが出演している番組を見ていると、音声が日本語であることにしばらく気がつかなかった。