11月26日 韓国旅行1日目 『出発』


9時30分。少し早いが家を出る。バスで茅ヶ崎駅に向かうが、バス停で毛糸の帽子を忘れたことに気付く。もう遅い。幸先の悪いスタートである。駅ビルのドトールで一休み。カメラの記憶メディア(コンパクトフラッシュ)を韓国で買うつもりでいたが、奥さんは「韓国で電化製品を安く売っている場所を知らない」という。外国で困るぐらいなら、日本で買っていった方が得策と思い、近くのヤマダ電機で2ギガのメディアを購入。朝から慌ただしい。初めての海外なのだから、もう少し準備を丹念にしておけば良かった、と今更ながら後悔する。
茅ヶ崎からJR、京急を乗り継いで羽田空港に到着。1時間程度。意外と近いので便利ではあるのだが、もう少し穏やかに緊張感を高めたいところではある。





国際線ロビーに着いたら、早速チェックイン。奥さんが大活躍。オイラは海外初体験ですから、ワカランのですよ。出国手続きで手荷物検査をしていたら、ブザーが鳴る。ベルトの金具がダメらしい。ベルトを抜くと、靴も脱げと言う。こんなに人の良さそうな顔をしているのに、テロリスト扱いですよ。文句を言っても仕方がないので、言われるままに靴を脱ぐ。奥さん、知らないオバサンと一緒になって、腹を抱えて笑ってる。当然、何も問題はなく、服装を整えていたらオバサンと奥さんから慰めの言葉を頂く。ヤレヤレ。出国審査では何も聞かれずビザの判子を押してくれる。やはり人相には自信があるのだ。




12時50分、飛行機に乗り込む。真ん中4人掛けの更に真ん中という、ドウシヨウモナイ席。短いフライトだから我慢できるが、この席に10時間とか座るのは無理。テレビを見て気を紛らわせる、なんて問題じゃない。テレビで韓国の番組を選択できたので、これを見ながら出国カードを書く。韓国の番組は初めて見るが、日本と同じようにテロップが連発。文字がハングルに変わっているだけで、見た目は日本の番組と殆ど変わらない。オイラはハングルが読めないから違和感を感じるが、ハングルをスラスラ読める奥さんは日本の番組を見ているのと変わりがないらしい。皇帝ヒョードルが出演。出演者全員が笑っている場面で、ヒョードルの顔は全然笑っていない。オイラも全然笑えない。文字が読めない、言葉が理解できないということの重大さに今更ながら気付く。大丈夫かしら・・・。



機内食が運ばれてくる。「ビーフオアチキン?」「チキンプリーズ」という会話を期待していたが、問答無用。かなり美味い。空の上でこんなに美味しいものが食べられる時代になったのか。韓国の航空会社(アシアナ航空)というだけあって、キムチが超美味い。奥さんはパンだけ食べて他は残すとのことなので、こちらも頂くことにする。「キチンと食べないと、機体が軽くならないじゃないか」なんて考えながら食っていたのだが、食べ終わってコーヒーを飲む頃にその考えは間違いだと気付く。
そんなことをしているうちに、韓国到着。呆気ないほどアッサリと、おいらの海外童貞は奪われてしまう。何事も「初めての経験」なんてモノは、こうやって驚くほど簡単に終わってしまう。「0→1」と「1→2」の差を比べれば、前者の方が遙かに大きいのは間違いないのだが、そもそも「0→1」の差自体が驚くほど小さいということも良くある話。「初めての海外旅行」なんてモノは、その最たるモノなのだろう。