ギター弾きの恋

ギター弾きの恋 [DVD]

ギター弾きの恋 [DVD]


奥さん御推薦の映画。初見で号泣したらしい。僕には予備知識は全くなし。ジャケットでショーン・ペンが主演なのを確認したぐらい。

良い映画だとは思うんだけど、イマイチ入り込めなかった。原因は主演のショーン・ペン。演技が悪かったわけではない。僕の中で出来上がった主人公像とショーン・ペンが上手く重ならなかったからだ。

僕の中での主人公像は、もっと線の細いキャラクターになってしまった。つまり、借金まみれの生活や手癖・女癖の悪さ、自称「世界で二番目のギタリスト」というプロフィールは全て「自分を守るための鎧」であり、本当は気の小さい男なのだ。その「鎧」に傷を付けないために、(外見的にはパッとしないけど)大好きな女の子と別れ、その「鎧」に釣り合う(華のある)女性と結婚し、その「鎧」が原因で離婚をする。大好きだった女の子のところへ戻ろうとするが・・・。ラストシーンでの感情の発露は、彼女を失った悲しさだけではなく、自分が作り上げた「鎧」に対する怒りも含まれていたのだと思う。だから、"I made a mistake!"と叫び、ギターを叩き壊すのだと。

そういう解釈になってしまったためショーン・ペンだと、本当に世界で2番目のギタリストに見えてしまうのだ。外見上、もっと弱々しい感じの俳優の方が良かったのではないかと。特典映像で当初はウディ・アレンが主演を務める予定だった、と本人が語っていた。そちらの方が僕のイメージには合っていたのだが・・・。

そんなことを奥さんに話すと、真っ向から反対された。日本人なら誰をキャスティングするか?という問いかけには、即答で「永瀬正敏」。ぼくは「吉岡秀隆」。奥さんと僕の間には海よりも深い溝がありそうなので、それ以上の話はしないことにした。

blogを書くに当たって、主人公のエメット・レイについて調べてみたら、本当の意味で伝説の人物*1らしい。ま、ウディ・アレンのやりそうなことだ。

*1:架空の人物なんだと。