ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙


酷い期待はずれに終わりました。デビュー作が鮮烈だっただけに残念としか言いようがない。

デビュー作が印象に残った理由は、舞台の設定とキャラクターの設定だったと思う。舞台を病院内部に、登場人物には、天才外科医と厚生労働省の役人、そしてうだつの上がらない精神科医。シリーズ化するのは結構だと思うが、この基本路線は外してはダメだ。長く続けて書くなら、骨組みは太くて少ない方が長持ちする。

SFチックな設定や、警察側に田口&白鳥コンビとよく似たキャラクターがもう一セット登場したりと、余分なものを持ち込んだばかりに、ただのドタバタ劇になってしまった。正直言って、目も当てられない状況。後半は読んでいるのが辛かった。映画化を考えれば、この舞台設定はメリットが多い。キャスティングできる役者が増えるわけだし、それだけ興行収入も上がるだろう。出版社の編集が色気を出すと、酷い結果になるのは良くあることだ。
続編が出版されているが、方向修正されていることを願うばかりだ。