幻夜

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))


東野圭吾という作家は前から気にはなっていた。作品の内容が云々という話は聞かなかったが、名前だけは良く聞く名前だったし、新作が出れば書店の平積みコーナーに好意的なPOPと共に登場していたからだ。「白夜行」が出世作になると思うが、以前ドラマ化された時に少しだけ見ていたため、話の筋が多少頭の中に残っていたので、敢えて「白夜行」以外の作品を読むことにした。相方さんは「白夜行」を読んではいる。ドラマも見ていた。「救いのない話だよ」と言っていた。僕が知っているのは断片的な情報ではあるが、確かにそうだと思う。ドラマでは綾瀬はるかが悪女の役をやっていたはず。「似合わないなあ」と思いながら、たまに早く仕事から帰れた日にドラマを見ていたのを覚えている。


話の筋としては、過去を捨てた女の人と、その女の人に操られる男の人の話。次第に女の人の過去が分かり始め、その狂気が加速し始めて・・・みたいな感じ。「白夜行」に似た感じの話。恐ろしいぐらいに救いのない話で、最初の一ページ目から最後の一ページまで、ずっと気分は落ち込みっぱなし。読むだけでこんなに疲れる話も他には無いのではないかしら。作家さんはこんな話を書いていて疲れないのかが不思議なところだ。そして、衝撃のラスト。考えようによっては、作家が仕事を放棄したとも思えなくも無いぐらい、ヒドイ結末でした。読み終わった瞬間に本を投げ出してしまった。こんなに後味の悪い話は無い。でも、後を引くので、未だにその余韻が残っている。さては、この感じが東野圭吾のウリなんだろう。


そんなわけで、「白夜行」を小説でも読むことにします。