Microsoftとgoogle

Microsoftがyahooの買収に失敗したらしい。金額面での折り合いが付かなかったことが最大の理由となっているけど、この話を額面通りに受け取る人はそんなに多くないだろうと思う。Microsoftは業界内部では悪の元凶のように忌み嫌われていることは周知の事実だし、googleの独壇場となっている検索業界に何かしらの波風を立てるためには、
Microsoftとyahooの連合軍 vs google帝国
というのは結構面白かったのではないかなと思っているのだけど。


要するに、金額云々の話ではなく、Microsoftという企業がどうしようもなく嫌われていた、というだけの話なんだろう。こればかりは仕方が無いよね、一度定着したイメージを覆すのはかなり難しいし、あれだけの大企業になってしまうと、尚更の話になるから。仮定の話として、「googleによるyahoo買収」であれば、yahooは嬉々としてその話に応じただろうと思う。ただし、独占禁止法違反*1という「おまけ」が付いてしまうだろうから、これはありえない話。


でも、Microsoftってそんなに悪い会社なのかと疑問に思う。
確かに、今から思い返してみれば、windows3.1やwindows95/98は酷かった。作りかけのドキュメントを幾度となくフイにされた。怒りのあまりにキーボードにグーチョップを喰らわせて、ノートパソコンごとドキュメントをパアにしてしまった人を僕は知っている。appleのように洗練されたインターフェースを提供できず、野暮ったいデスクトップは嘲笑の対象だった*2。macOS9の爆弾マークに泣かされた人の数は、windows95/98でブルースクリーンを見た人の数と遜色ないはずだ。それなのに、appleの心理的株価は、(熱烈なユーザーに支えられて)一定ラインを割り込むことなく、近年では見事なV字回復を見せた。
結局、良い評判/悪い評判というのは、「いい事をした」「悪い事をした」で出てくるのではなく、「熱烈なユーザーの有無」で決まるのではないかと思う。appleにおける「エバンジェリスト」と呼ばれる人たちであり、googleにおける「ギーグ」と呼ばれる人たちである。この人たちの存在が、企業のステータスの下落に対する最終防衛ラインとなり、ステータスの上昇に対する神風特攻隊となるんだと思う。Microsoftには「熱烈なユーザー」は存在しない。存在するのは「冷めたユーザー」であり、windowsVistaの素晴らしさについて熱心に語る人を未だに見たことがない。僕の知っている数少ないVistaユーザーは、一様に「XPの方がイイ」と言う。


でも、別の考え方をすればMicrosoftという会社は、「好き/嫌い」で判断される会社ではなくなり、社会のインフラとしての地位をすでに確立してしまったのかもしれない。パソコンは電気・ガス・水道・電話と同じ社会のインフラとしての地位を確立してしまっているし、家電量販店で売っているパソコンにはwindowsが必ず入っている。「電気の熱烈なユーザー」が存在しないのと同じ意味で「Microsoftの熱烈なユーザー」が存在しないのではないかと思う。熱烈なユーザーが存在するのは、それが先端の文化や技術であるからであり、広く浸透した(windowsのような)技術には、熱烈なユーザーが存在しないのも当然といえば当然だろう。


あと、個人的な感情として、最近のgoogleが好きになれないというところもある。確かに、あの検索画面のシンプルさは他の検索サイトにはない(というか、他の検索サイトは何故あんなにも過剰な装飾をしているのかが理解できない)し、gmailも利用している。とはいえ、インターネットの世界が全てgoogleを中心に回っているかのように感じられるのが、何か釈然としない。もっと色んな軸があって然るべきなのに。

*1:シェアが7割を超えるだろうから、独占禁止法の対象になると思うけど、検索エンジンの独占禁止法って何だ?

*2:僕も一時期macユーザーだったので、散々にwindowsを笑いものにしていた経験がある。

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